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7月14日、気仙沼市岩月宝ヶ沢・面瀬中学校の仮設住宅へ器を届けに伺いました。
レポート作成:今井梨絵
この仮設住宅に器を届けるのは2回目になります。
2011年7月には視察を経て、9月に全国から寄せられた器約1000点程を届けました。
今回は、今までに集められた中から800点程を届けました。
一年間に様々なきっかけで集められたこともあり、湯のみや飯碗といった普段使いのものを中心に酒器や花器、抹茶碗や香合などの茶の陶器も含む内容になりました。
今回向かったのは、二階堂、寺村、今井の3名。
午前2時に益子を出発し、9時前には現地に到着。
ボランティアスタッフの大内さんと久しぶりの再会です。
前回に引き続き、面瀬の仮設住宅の方々とウツワノチカラを繫いで下さいました。
お元気そうな様子に一安心。テキパキと段取りをして頂きました。
自治会長さんご夫妻、お住まいの方数名、看護スタッフの方にもご協力頂き、準備にあたりました。
おかげさまで予定より早く準備完了。11時からの開始を待ちます。
「1世帯4点まで」ということで皆さんに器をお渡ししました。
前回を踏まえた上で段取りして下さったこともあり、スムーズに受け渡しができました。
皆さんの楽しそうに器を選んでいる様子に、こちらが元気をもらいました。
またこの場が、お住まいの方々の交流のきっかけになっているようで、会話に花が咲く場面も多く、和やかな雰囲気に。
前回届けた器をどのように使っているか、詳しく伝えて下さる方もいらっしゃいました。
自治会長さんのお話では、前回の時よりも生活が落ち着いてきているとの事。
「用の器を多数」ではなく、潤いを感じられるものが求められる状態に変化してきている様子でした。
ただその中でも、津波が来た時の様子やこれまでの事、そして今の生活について未だ厳しい状態であることをお話しして下さる方もおり、復興といえるようになるにはほど遠いと感じました。
また、一人暮らしや仮設を出た方など、状況が様々なこともあり、支援が行き届いていない所も多いようです。
13時過ぎには器の提供を終了。
全体の三分の一程は残りましたが、大内さんの手で周辺の仮設住宅等にお届けして頂く事になりました。
その後、海沿いの様子を見に行きました。
以前とは違い、瓦礫はほとんど片付いていましたが、ほぼ更地の状態。
残った家々の基礎の部分だけが、そこに生活があったことを物語っています。
面瀬の仮設住宅の方々、海沿いにあった水産加工会社、その多くは高台に移転するそうです。
ただ、測量・整地だけでも2〜3年はかかるようで、まだまだ先の長い話です。
面瀬の自治会長さんから、津波から避難した時の様子を話して頂きました。
海縁の小高くなっている所にある、古い神社。
消防団員である自治会長さんは、そこに住民の方33名を避難させてから、バイクで近くの高台に逃げたそうです。
回りは更地ですが、この神社だけは残っています。
最後に自治会長さんが言っていた
『「頑張れと言ってはいけない」とよく聞くけど、一歩一歩頑張るしか無い』
という一言が印象的でした。
今回、面瀬中学校の皆さんには本当に温かく迎えて頂きました。
それだけ器の提供を喜んでもらえたのだと思います。
器を提供して下さった作家の皆さん、資金を寄付して下さった方々
間を繫ぐボランティアの方、そして仮設住宅の皆さん
たくさんの方々の協力と気持ちが、有機的な環になって繋がっていっています。
「支援」という形とは少し違うのかもしれませんが、これこそ「ウツワノチカラ」なのではないでしょうか。
こうして一年程、面瀬の仮設住宅の方々と繫がりを持てたことで、作家の器ができることが見えてきたと感じます。
ウツワノチカラprojectに関わって下さった皆さんに、心から感謝致します。
まだまだ活動は続きますので、引き続きご協力をお願いします。
今まで集まった器に加えて「陶ISM2012」開催以降に器を寄付していただいた皆様
兼行誠吾 川西知沙 北川チカ 草彅桃江
シマムラヒカリ 髙橋朋子 遠野秀子 野田里美
榛澤宏 深見文紀 宮岡貴泉 村上祐仁
山本順子 中村真由美 藤崎みち子 小泉留美子
小幡知弘 荒澤聡子 河村澄香 渡部智鶴
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